風吹きぬける大地W
□ドッキリその後は
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このまま立ち続けていれば、いずれ地面はレオを飲み込むだろう。
だが、それを待ち続ける義理もない。
あっという間にレオの立つ箇所の地面が乾いた。
しかし、それでもレオは油断なく周囲を探る。
「……フン」
レオはここに来て、初めて笑みを浮かべた。
先ほどとは打って変わって慎重に、1歩踏み出す。
とたん、レオを取り囲むように炎が発生する。
炎がレオのコートを揺らす。
しかし、当のレオは暑さを感じていないかのように佇む。
そして、左手を一閃。
それだけで炎は掻き消え……、しかしすぐさま勢いを取り戻す。
だが今度の炎はレオのコートどころか、髪の毛一筋揺らすことがなかった。
「行け」
炎の蛇が、木々を襲う。
熱量というよりも質量をもって木々が薙ぎ払われていった。
とたん炎を消すためなのか、雨が……豪雨が降り注ぐ。
「……酸の雨か」
レオは炎の支配権をすぐさま放棄した。
そして虚空に手を差し出す。
雨は止むことなく、さらに勢いを増していく。
あっという間に雨はレオの姿を包み隠した。
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