風吹きぬける大地W

□ドッキリその後は
2ページ/3ページ

このまま立ち続けていれば、いずれ地面はレオを飲み込むだろう。

だが、それを待ち続ける義理もない。


あっという間にレオの立つ箇所の地面が乾いた。


しかし、それでもレオは油断なく周囲を探る。


「……フン」

レオはここに来て、初めて笑みを浮かべた。



先ほどとは打って変わって慎重に、1歩踏み出す。


とたん、レオを取り囲むように炎が発生する。


炎がレオのコートを揺らす。


しかし、当のレオは暑さを感じていないかのように佇む。



そして、左手を一閃。



それだけで炎は掻き消え……、しかしすぐさま勢いを取り戻す。


だが今度の炎はレオのコートどころか、髪の毛一筋揺らすことがなかった。


「行け」


炎の蛇が、木々を襲う。



熱量というよりも質量をもって木々が薙ぎ払われていった。



とたん炎を消すためなのか、雨が……豪雨が降り注ぐ。


「……酸の雨か」

レオは炎の支配権をすぐさま放棄した。



そして虚空に手を差し出す。



雨は止むことなく、さらに勢いを増していく。




あっという間に雨はレオの姿を包み隠した。





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ