救済と撲滅

□Crash
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「キリエなら……」


この閉鎖された世界を壊せるのはキリエしかいない。


感情という光を手にしたキリエだからこそ……。


世界を原初の砂に還す以外の救済ができるのかもしれない。



そこまで考えてアグニスは苦笑する。

自分の役目はキリエを育て、世界を終わらせ、また始めること。


なのにどうしてこんな事を考えるようになってしまったのか。

その理由は考えるまでもない。



キリエの影響だ。



「私も年を取ったものだ……」

バルニに人間として住むようになってからどれだけの時が経ったか忘れたが、キリエという光に触れるうちにこちらにも影響が出てしまったらしい。


「願わくば、この生活が恒久に続くことを……」




それを壊すのはアグニス自身。


それでも願わずにはいられなかった。





END
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