救済と撲滅
□戦闘ではご用心
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「よーし、いっちょ上がり!」
雑魚の敵を蹴散らして戦闘終了。
ちょろいもんさ。
「ちょっとー、なんでアンタが戦闘に出て私が二軍なのよ〜」
後ろでモルテが文句を垂れてきた。
「そんなの知るか」
俺は帽子を被り直す。
「ちょっと前までは私が主人公で、ずっと戦えたのに〜」
「あん時はあん時だろ?」
「今はずっとキリエが戦闘メンバーに入ってるしさ。私も敵をどんどん撲滅したいのに〜!」
まるで子供だよ。
っつーか敵を撲滅したいって……。
ま、モルテだから仕方ないのか。
「あ、ならさ、僕と代わる?」
キリエが自分を指差した。
「無理だよ、ゲームシステムの都合上」
「リ・ア様、それは言ってはいけないのでは……」
ナジャの言うとおりだぜリ・ア。
パーティーメンバーは全員で6人。
そのうち戦闘に参加できるのは3人。
つまり、誰か3人は確実に出られないんだ。
……どうして俺こんなこと知ってんだ?
「ナジャ、あんた代わんなさいよ」
ジト目でモルテが俺を睨んできた。
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