救済と撲滅
□世界撲滅の意思
3ページ/51ページ
第1話 悩みには2通りある
1部の特権階級が相変わらず世の中を支配している世界。
それに反抗し、レジスタンス組織「黄金の獅子」が活動している。
獣人対人間の争いは、断続的にどこかで起こっていた。
春の大陸の辺境にある村、バルニ。
1年前に出来たばかりのその村は世界の情勢などまったく気にせず、獣人と人間が共に暮らす村だった。
キリエ・イルニスはバルニのそばにある岬から砂海を見下ろしていた。
ここに住むようになってから1年。
1年といえば長いようだが、何万年も生きていたキリエにとっては短い時間でしかない。
バルニという村を建設している間も、黄金の獅子と獣人の争いは耳に入っていた。
キリエの目が自然と鋭いものになる。
「キリエー!」
振り返ると、モルテとトッピーがいた。
.