風吹き抜ける大地V
□オーレ支部の終わり
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パイラの治安はまだまだ悪い。
この辺りのゴロつきを纏めるのはマサだが、シャドーのせいで大分荒らされてしまった。
これからはギンザル、警察署長のヘッジと協力し、パイラを立て直さなければならない。
だが2人ともポケモントレーナーではないし、警察はあまり役に立つとは言えない。
実力主義のパイラでは、どうしてもマサがゴロつきたちを纏め上げなければならなかった。
今日もマサは深夜までパトロール。
また薬物の裏取引を潰し、今日はこれで塒に戻るつもりでいた。
「第一……俺はアイツみたく上に立つ人間じゃねえのによ」
欠伸を噛み殺してそうぼやくマサだが、口元には笑みを刻んでいた。
「……そーいうわけで、俺はそこまで狙われる理由はないと思うんだけどな」
闇に紛れる黒装束を着た襲撃者に向けてそう言い放った。
素早く襲撃者がナイフを振り落ろす。
眼前に迫る黒いナイフを手で打ち払い、相手の顔を殴りつけた。
「ぐぶっ!」
仰け反った襲撃者の、がら空きになった腹をさらに蹴りつける。
建物の壁にぶつかり、男が気絶した。
「……んで、こいつらはどこの差し金だったんだ?」
舌打ちをして、ラルトスを取り出す。
「トス、念力でこいつの動きを縛っとけ」
念のために起きても動けないようにしておく。
それからマサはポケギアを取り出した。
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