仮想と現実

□“耳鳴り”
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三崎 亮。

リアルでのハセヲの名。

実の親から初めて貰ったモノだが、どうしても実感が湧かないでいた。



それだけでない、亮は漠然と違和感を感じていた。


“自分が異質”だということを心のどこかでずっと感じ、それを認めている。

学校へ行って勉強して、家に帰って遊んで、親の帰りを待ってから食事をして……という何気ない日常の中でも、ずっと。

“ここにいてはいけない”という強迫観念にも似たモノ。




それは7年前のあの日から。




亮は7年前の未帰還者の1人だった。





だが他の未帰還者と違うのは、亮の精神は常にスケィスと共にいた、ということ。


あの時は楚良という名前で、それなりに名の知れたPKだった。


ただの興味本位からAURAに、モルガナに近づいて、利用されるのが嫌になって裏切ったら挙句の果てにスケィスにPKされた。






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