救済と撲滅
□ZERO
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太陽が眩しい。
キリエは目を庇うため手をかざした。
「……狭い世界だ」
4つの大陸では同じような事が起きている。
人間と獣人の戦争。
この世界が出来たと同時に歴史を見守ってきたが、争いは絶えない。
弱肉強食を否定するつもりはない。
だがこの戦争は明らかにその範疇を越えていた。
キリエはどちらにも所属するつもりはない。
外見は人間だが、キリエは人間ではない。
デストラクトコードと呼ばれる存在だ。
デストラクトコードの存在を信じ、世界の滅亡を願う者がいたらその通りに世界を滅亡させる存在。
まだその出番はありそうに無いが。
このキリエ・イルニスという名前も所詮偽りに過ぎない。
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