風吹きぬける大地W

□この温もりを手放せなくて
1ページ/4ページ




レオは外見が怖いくせにとても優しい。

口調が口調だし捻くれているから気付きにくいが、けっこうミレイに気を使っている。


「ねえ、どうすればいいと思う?」

いきなりミレイにそう言われ、ディアとニュイは顔を見合わせた。

『……えっと、何が?』

『まずは内容を言ってよ』

「だからさ、レオって優し過ぎると思わない!?」

手近にあったテーブルをバンと叩く。

『……うん、レオをそう言えるのって世界でも3人しかいないわね』


もちろん他の2人はマサとクレインだ。


『……それで、それがどうかしたの?』

「何ていうかさ、物足りないのよ」

不貞腐れて、ミレイは頬を膨らませる。

「レオさ、私にすっごく気を使うじゃん。それがさ……」

『物足りないの?』

「そうなのよ!」

またテーブルを叩く。

「そりゃ、嬉しいんだけどさ……! ただこっちとしては不安になるのよ」

『レオがモテて?』

「それは仕方ないじゃん。レオのこと信じてるから」

あっさりとそんなことを言うミレイを見て、2匹は溜め息を漏らした。

「私が言いたいのはさ……なーんか優しすぎて物足りないのよ」

頬杖をついて、ミレイはふてくされていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ