風吹きぬける大地W
□この温もりを手放せなくて
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レオは外見が怖いくせにとても優しい。
口調が口調だし捻くれているから気付きにくいが、けっこうミレイに気を使っている。
「ねえ、どうすればいいと思う?」
いきなりミレイにそう言われ、ディアとニュイは顔を見合わせた。
『……えっと、何が?』
『まずは内容を言ってよ』
「だからさ、レオって優し過ぎると思わない!?」
手近にあったテーブルをバンと叩く。
『……うん、レオをそう言えるのって世界でも3人しかいないわね』
もちろん他の2人はマサとクレインだ。
『……それで、それがどうかしたの?』
「何ていうかさ、物足りないのよ」
不貞腐れて、ミレイは頬を膨らませる。
「レオさ、私にすっごく気を使うじゃん。それがさ……」
『物足りないの?』
「そうなのよ!」
またテーブルを叩く。
「そりゃ、嬉しいんだけどさ……! ただこっちとしては不安になるのよ」
『レオがモテて?』
「それは仕方ないじゃん。レオのこと信じてるから」
あっさりとそんなことを言うミレイを見て、2匹は溜め息を漏らした。
「私が言いたいのはさ……なーんか優しすぎて物足りないのよ」
頬杖をついて、ミレイはふてくされていた。