風吹きぬける大地W

□語られぬ会合
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実のところ、レオはよく深夜に外出をしている。


もちろんミレイには内密に、だ。


理由としては、ミレイがいるとどうしても思い通りに動けないところにある。

ミレイがいるのといないのとでは、レオたちの動き方は大きく変わる。ミレイがいるとどうしても動きに制限が出来てしまうのだ。


もちろんミレイとこうして離れていても、何かあれば瞬時に駆けつけられるようにしているのだが。



こんな時にも思考の端でミレイのことを気にかけているのに気付き、レオは苦笑した。


『どうしたんだレオ』

『何でもない』

そうニュイに返し、レオは眼前の建物を睨んだ。



そこにあるのは、一見するとただの山小屋。



しかしそれはカモフラージュだ。


本当の姿はコンクリート造りの、無機質な建物。


わざわざ眩惑をかけた上、人避けの呪いまで施されている。

そのため街から程近い場所だというのに人どころかポケモン、鳥や昆虫さえも寄り付かない。


明らかに怪しすぎる。


そんな建物が今夜泊まる町の傍にあるのだから、気になって見に来たのだ。


『んで、どうする?』

『ニュイは俺と来い。ディアはここに待機して、万一の中継を頼む』

『分かったわ』


声には出さず、意志の疎通を行うのもお手の物。



意識を建物へと……正確には建物を取り囲んでいる結界へと向ける。



今回の目的は偵察。

ディアを残すのは、転移をするときの座標とするためだ。



その分戦力が減るが、偵察だけに留める分には問題ない。



レオは息を小さく吐き、意識を建物へと……正確には建物を取り囲んでいる結界へと向けた。






とたん。





ドォォン!





突如として山小屋が爆発した。




「………」

思わずレオは沈黙する。

『今度は何やったんだよ』

『さっさと白状しなさい』

「まだ何もやってない」

レオが少しムキになって返したのも無理はない。


何故爆発が起きたからといってレオのせいにされなければならない。


「……まあいい。騒ぎに乗じて乗り込むぞ」

『わあ、火事場泥棒』

「何を今更。俺は元々スナッチャーだぞ」

『それもそうね』

そんな軽口を叩き、レオとニュイは建物へと乗り込んだ。








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