仮想と現実Ⅱ
□とんだ災難
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「なあ、ハセヲってＰＫＫなんだよな？」
「はぁ？何だよ今更」
クーンの質問にハセヲは盛大に顔をしかめた。
「……なんか、ものすごく軽蔑してない？」
「してる」
視線で軽蔑していることを隠そうともしないハセヲに、クーンは肩を落とした。
だがすぐに真面目な表情になる。
「……たださ、楚良って知ってるかなって」
その名にもハセヲは表情を変えなかった。
「……名前だけはな」
ハセヲほどではないが、とても有名なＰＫ。
奇抜な言動とその実力、そして某赤い稲妻との決闘は一般ＰＣにも広く知れ渡っていた。
「名前だけ……ってことは、楚良と戦ったことはないんだな？」
「……ああ」
ハセヲと楚良。
どちらも無敗を誇るＰＣ。
ハセヲが「死の恐怖」と呼ばれた頃、それこそ数え切れないほどのＰＫを狩ってきた。
その中にはカオティックＰＫも入っていたはずだ。
ただクエストキャンペーンにハセヲが参加していなかったためブラックリストに印がつかなかっただけで。
でも、そのハセヲが楚良とは戦ったことがない。
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