救済と撲滅
□目覚め
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どうしてこうなったのはキリエには分からない。
ただ人間ということを隠して獣人の食堂で働いていただけだ。
なのにモルテに人質に取られ、いつの間にか世界撲滅委員会に入ったことにされて。
そして今はそのモルテと、同じく巻き込まれたトッピーと旅をしている。
なぜだかモルテを放っておくことができない。
それに……モルテが持っているデストラクト・コードが気になる。
――当然だよ。
誰かが囁く。
――あれは僕らの物なんだもの。
「誰？」
――君は僕だよ。
「僕？」
――君が忘れてしまった存在。僕に残されていた人間らしい部分。殺しきれなかった心。
「一体、何の……？」
――まだ分からなくていい。時が来れば分かる。だから……大人しく眠っていて。
「え……？」
意識が闇に沈む。
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