救済と撲滅

□風邪ひきさんと鈍感さん
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モルテが風をひいた。

「モルテ、お粥だよ」

心配そうな顔をして、キリエが消化の良いお粥を持ってくる。

「ん、ありがと……」

いつもの元気がないモルテ。

ベッドで寝込み、発熱のためか顔が上気している。

「馬鹿は風邪をひかないっつーけど、あれは嘘だな」

アガンがぼそりと呟く。

「アーガーン、聞こえてるわよ」

「へっ、病人は大人しく寝てなって」

今にも剣を持ちそうなモルテを慌ててキリエが制す。

「……それにしても、まさか丈夫なモルテが風邪で寝込むとはな」

「モルテも人の子、というわけですわね」

夏の大陸に行った後に冬の大陸に寄ったのだ。

気温の変化で体調を崩してもおかしくはない。

ナジャとリ・アは何やら納得したらしく、しきりに頷いている。

「むしろ今まで体調を崩さなかったのが不思議クマ」

「それもそうだな」

トッピーの言葉を肯定するアガン。





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