救済と撲滅
□害虫駆除
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「なあ、お前ってネコみたいだよな?」
何気ないアガンのひと言から始まった。
「「……ネコ?」」
声がハモる。
「ずっとキリエにじゃれててさ、まるでネコがネコじゃらしに戯れてるみたいじゃねーか」
キリエとキリエは互いを見た。
正確にはキリエとデストラクトが、だ。
現在、キリエにデストラクトが後ろから抱き付いている。
「ネコか……」
「……つまり、僕がネコでキリエがねこじゃらし、と言いたいの?」
「そう、なるな……」
するとデストラクトはキリエから離れ、何か考え始めた。
「そっか……」
「どうしたの?」
小首を傾げるキリエ。
「……キリエがねこじゃらしだとしたら、余計なネコまで寄って来る可能性があるよね?なら、今のうちに駆除したほうがいいかも……」
「……もしもし?」
不穏な気配を感じアガンはじりっ、と後ずさりした。
「デストラクト、何を考えてるんだ?」
「ただの害虫駆除だよ?」
「そ、そっか……ただの害虫駆除ならいいけどよ……どうして剣を構えるンだ?」
デストラクトの手には、いつの間にか剣が握られていた。
「ん?ナイフの方が良かった?」
「どちらにせよ刃物じゃねぇかよ!……っつーか害虫駆除に刃物はいらねぇよな……?」
予想はできても、アガンは聞かずにはいられなかった。
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