救済と撲滅
□戦闘ではご用心
1ページ/5ページ
俺の名前はアガン。砂族出身だ。
砂族っていうのは旅から旅、キャバランを組んで交易をしながら砂海を旅し続ける集団だ。
俺のお袋は砂族の族長やってて……まぁ、この話はカンベンな。あんまりお袋の話はしたくねーんだよ。
どうしてだか、俺の周りの女って気が強いのが多くて敵わねぇ。
お袋といい、あの女といい……。
あの女ってのは、モルテ・アーシュラのことだ。
二言目には「撲滅するわよ」が口癖の。
腐れ縁なんて嬉しくもねぇ立場の俺は、モルテがしでかしたことの尻拭いをよくさせられてたのさ。
……思い出しただけで頭痛がしてきた……。
思えばガキの頃から変わってねぇな、モルテは。
……んで俺の立場も変わらない、と。
そりゃ、空中監獄で助けてくれたけどよ、俺としてはその前に助けてやった恩があるから貸し借り無し、てことにしたかった。
けどモルテは俺のシーゲイル号を乗り回すわ、果ては四獣聖を撲滅するだわ……。
そんならお目付け役がいたほうがいいって思ってついてくことにしたんだけどよ、まあハナから俺の話を聞くようなヤツじゃなかったんだよな、モルテは。
そんなモルテにも恋人が出来た。
キリエ・イルニスっていって天然のヤツ。
あのお騒がせカップルは……被害はこっちに来るんだぜ?
.