風吹き抜ける大地U
□裏で進む作戦
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時たま連絡を取り合ってはいたが、その程度。
何せレオとミレイはオーレ地方の外にいたのだから、なかなか会う機会はない。
最後に会ったのは、5年前のシャドーの事件が片付く前だったか。
「わー! スレッド、大きくなってない!?」
「アンダーは日光が当たらなくて子供の発育が悪いですから。それに僕も成長期がありましたし……ミレイさんは変わりないみたいですね」
「うっ……これでも大人になったんだからね!」
「中身は充分子供だがな」
「うるさいわよ! レオだってほとんど変わってないじゃないの!」
5年前は地下組織であったコドモネットワークが今やパイラに本拠地を置く立派はテレビ局だ。
まさかレオもここまで成長するとは思わなかった。
時々連絡を取り合い、さらにマサから知らせてもらったりしていたが、実際に見るのは別だ。
「レオさんもミレイさんも大人っぽくなってますよ」
「シホちゃんアリガトー!」
シホの言葉に何やら胸を張ってレオを見るが、レオは頓着しない。
「そういえば、マサさんとお2人は何度も会ってるんですよね。僕、知りませんでした。マサさんが懇意にしてるとは」
「俺の交友関係を教える必要もないからな」
レオは素っ気なく答える。
そういえば、レオは過去を勝手に調べられるのが嫌いだった。
情報通としてスレッドもレオの素性を調べたがっているが、どうやら手が出せないらしい。
何よりレオのことを知っている人間は限られているのだから。
「それに、ポケモン研究所のクレインさんともお知り合いなんですね」
「ああ。意外か?」
「そうですね。接点が見つかりませんでしたから」
「だろうな」
レオ、マサ、クレイン3人独自の連絡網はミレイにさえも教えていないのだから。
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