風吹き抜ける大地U
□顔合わせ
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「ふむ……」
ポケモンたちに襲われている街を見て、青年は呑気そうに見回した。
「ちょっとレオ! 何のんびりしてるのよ!」
横に立つ少女が青年……レオにくってかかる。
「……ダークポケモンがいないのを確認しただけだ」
「……え?」
とたんにミレイは目を丸くした。
「……私には何も視えないけど?」
「視るんじゃない。感じるだけだ」
「……なんかさ、レオって私いなくても平気だった?」
「……目だけに関してはお前の方が上だろう。だが、索敵は俺の方が上だというだけだ。それに、俺の方が場数を踏んで慣れている」
釈然としないながらも、ミレイは問題を保留した。
「それより、早く助けないと!」
今の問題は、目の前の町だ。
「遅い」
「え?」
「もうディアとニュイが向かっている」
「嘘……」
そういえば、いつもレオの側にいる2匹がいない。
「ダークポケモンもいないからスナッチする必要もない。あいつらが掃討するのを待つだけだ。……丁度、戻ってくるところだな。乗れ」
促されて、しぶしぶミレイはバイクのサイドカーに乗る。
徒歩か自転車、もしくはポケモンに乗って旅をする者の多いカントー地方でバイクに乗るのは一種異様な光景だ。
ニビシティから戻ってきたエーフィとブラッキーをボールに戻し、すぐにレオはバイクを発進させた。
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