風吹き抜ける大地U

□顔合わせ
1ページ/5ページ

「ふむ……」

ポケモンたちに襲われている街を見て、青年は呑気そうに見回した。

「ちょっとレオ! 何のんびりしてるのよ!」

横に立つ少女が青年……レオにくってかかる。

「……ダークポケモンがいないのを確認しただけだ」

「……え?」

とたんにミレイは目を丸くした。

「……私には何も視えないけど?」

「視るんじゃない。感じるだけだ」

「……なんかさ、レオって私いなくても平気だった?」

「……目だけに関してはお前の方が上だろう。だが、索敵は俺の方が上だというだけだ。それに、俺の方が場数を踏んで慣れている」

釈然としないながらも、ミレイは問題を保留した。

「それより、早く助けないと!」

今の問題は、目の前の町だ。

「遅い」

「え?」

「もうディアとニュイが向かっている」

「嘘……」

そういえば、いつもレオの側にいる2匹がいない。

「ダークポケモンもいないからスナッチする必要もない。あいつらが掃討するのを待つだけだ。……丁度、戻ってくるところだな。乗れ」

促されて、しぶしぶミレイはバイクのサイドカーに乗る。

徒歩か自転車、もしくはポケモンに乗って旅をする者の多いカントー地方でバイクに乗るのは一種異様な光景だ。

ニビシティから戻ってきたエーフィとブラッキーをボールに戻し、すぐにレオはバイクを発進させた。







.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ