風吹き抜ける大地U

□初対面
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ポケモントレーナーとは大抵、ポケモンリーグチャンピオンを目指している。

つまり、常日頃から鍛えているのが普通なのだ。

そして時にはトレーナー同士で対戦を行う。



だというのに、レオは対人戦を自らやろうとはしなかった。




シンオウ地方のとある町。




「今日はここまでだな」

日も傾き、レオは町のポケモンセンターの横にバイクを停泊させる。

「ディア、ニュイ。ミレイと先に行って受付すませてろ」

「はーいっと」

『分かったわ』

『んじゃ、よろしく』

ミレイとディア、ニュイがポケモンセンターの中に入っていくのを見届けてから、レオは少し離れた場所にある駐車場までバイクを走らせた。









受付を済ませ、ミレイは1部屋分の鍵を弄ぶ。

本当なら年頃の男女が同室というのは気恥ずかしいものがあるのだが、もうずっと共に旅をしているのだ。

それにレオが『間違い』を犯す性格ではないことも充分承知している。

それでなくてもミレイは無条件にレオに心を許していた。


「あ! 珍しいポケモン!」


エーフィとブラッキーを見て、1人の少女が近寄ってきた。

「えっと……エーフィと、ブラッキー?」

少女がポケモン図鑑を見て、確認をする。

「お、よく鍛えられてるな……。毛並みも見事だ」

少女の後ろから青年が覗き込んでくる。

「あ、分かる?」

ディアとニュイが褒められて、ミレイは自分のことのように嬉しくなった。

「へ〜、エーフィとブラッキーなんてシンオウ地方に来てから初めて見た。……あ、でもシゲルのブラッキーがいたな」

さらに少年までやって来る。その足元にはピカチュウがいた。

そのピカチュウを見て、ニュイが片耳を上げる。

「あ、オレ、マサラタウンのサトシ。こっちは相棒のピカチュウ」

「ピカ!」

「私はヒカリ。突然ごめんね」

「オレはタケシだ」

「ミレイよ。えっと……マサラタウンって……」

『カントー地方にある町ね』

「カントー!? 随分遠いわね……。あ、私ミシロタウンよ」

「ミシロってことは、ホウエン地方か?」

「うん」

「懐かしいな〜。オダマキ博士、元気かな?」

「知ってるの?」

「以前、ホウエンリーグに挑戦したことがあったんだ」

「そうなんだ……」

元々物怖じしない性格のサトシとミレイは、すぐに会話が弾んだ。
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