風吹き抜ける大地U

□とある潜入捜査官の調査
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国際警察所属、コードネーム「ハンサム」

彼は今、オーレ地方で暗躍しているという組織「シャドー」について調査中だった。


オーレ地方は治安が悪い、つまり警察の権力が行き届かない。

そのためつい最近までスナッチ団という盗賊達が普通に活動していた。

だがその盗賊団も内部抗争で壊滅、表向きは平和になったようにも思われた。

だが、スナッチ団にポケモンを奪い取る機械、スナッチマシンを流していたという組織があることが発覚。その組織の調査のために派遣されたのがハンサムだった。


そして突き止めたのが、砂漠の真ん中にある怪しげな建物。


そこの研究員としての潜入にハンサムは成功した。










「どうかしましたか?」

「!?」

国際警察への報告をしていたハンサムは、突然背後から声をかけられ動揺してしまった。

慌てて振り向くと、そこにいたのはまだ若い研究員……確かクレインと呼ばれていたか。


ハンサムはこれでも格闘術には自信がある。

何せ敵地へ身1つで潜入するのだ、万が一の時でも情報を持ち帰る必要がある。

だが、ハンサムはクレインが近づいてきた気配を感じなかった。

優しげな容貌を信じてはいけないらしい。

「もしかして、気分が悪いとか?」

「いや……大丈夫だ」

「ならいいんですけど」

クレインは手にしていた紙コップの1つをハンサムに渡す。

「……いいのか?」

「はい、また貰ってくればいいですし」

でもクレインはまだ1つ紙コップを持っている。

もしかしたら同僚に頼まれたのかもしれない。

「なら、お言葉に甘えて」

ハンサムは紙コップの中身を飲むフリをした。

「……とにかく、体調には気をつけてくださいね」

「ああ」

心配をしながら、クレインは立ち去っていった。





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