バトルしようぜ!

□とある追試の後
1ページ/2ページ

目の前には机の上に置かれた白い紙。


問題用紙と解答用紙である。


ゴールドは鉛筆を無造作に転がす。

それからシャープペンシルを取って、解答用紙に3と書き込んだ。


俗に言う鉛筆ころがしである。


「先生ー。終わったっス」

ゴールドは立ち上がって解答用紙を教卓に置いた。

「おお、早いな……ってほとんど空白じゃないか! 埋めたのは選択問題だけか!? ……おい待て!」

監督の教師が止めるのも聞かず、さっさとゴールドは鞄を引っ掴んで教室を後にした。














レオは席から立ち上がる。

無言で教卓の上に解答用紙を置き、教室から出た。

「おい……」

教師は解答用紙に目を落とし、絶句する。


解答欄は全て埋まっていた。










「……どうしているんだ?」

「暇だから」

昇降口で待ち構えていたミレイを見て、レオは渋い顔をする。

「それより試験終了時刻より早くなかった? ちゃんとやったんでしょうね」

「もちろん、ちゃんと手抜きしたさ」

「手抜き!?」

とたんにミレイがは顔色を変える。

「俺に本気出せってことは、カンニングしろってことだぞ」

「カンニングは駄目に決まってるでしょ!?」

「だから手抜き。分かったか?」

釈然としないらしく、ミレイはただ唸る。

「おっ、レオ先輩とミレイ先輩じゃないっスか」

そこにゴールドがやって来る。

「もしかして、2人とも補講……」

「俺はテストの日に学校を休んだからな。こいつはわざわざ休日に登校した暇人」


レオは先の事件の調査のためテストがあった日を休んでしまっていた。そのための追試。

だがゴールドは純粋に成績が悪いからだろう。


「わざわざ付き合ってあげたの! 感謝しなさいよね!」

「お前が勝手にやったことだ。感謝する必要を感じないな」

「ひっど〜!」

いつものような2人の掛け合いを見て、ゴールドは笑みを浮かべた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ