風吹き抜ける大地V

□息を合わせて
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不機嫌そうに見えるレオの隣で、リュウトは恐縮しっぱなしだった。

「すみませんレオさん、わざわざ付き合ってもらって……」

「……別に、いいさ。ニュイがやる気だからな」


フェナスで行われるポケモンコロシアム。

そこでタッグバトルのトーナメントが行われることとなった。


もちろん普段からタッグバトルでのトーナメントなのだが、今回はトレーナーが2人1組で戦わなければならない。


そのコロシアムに興味を持ったリュウトなのだが、如何せん組むべきパートナーがいない。

子供とはいえリュウトはオーレ屈指のトレーナー。実力が釣り合うトレーナーがそうそういるはずがないのだ。


そこで仕方なくレオに頼み、こうして出場することが出来た。


「大丈夫だってリュウト君! バトルになったらレオは絶対に負けないからさ!」

もしミレイがいなければ、もっと空気や淀んでいただろう。

「レオってこれでも負けず嫌いだからさ」

「……俺ではなく、ニュイが負けず嫌いなんだ」

「え〜!?」

「だから大変だったんだよな……」

何故かレオは遠い目をした。

『まったくだよ。ヘルコンザにわざと負けなきゃいけないだなんてさ』

「だからその時はディアに任せてただろうが」


どうやらそれなりに苦労をしていたらしい。


「ほら、エントリーは済ませたのか?」

「あ、行ってきます!」

慌ててリュウトが受付まで走っていく。

「……ねえレオ。でも実は楽しみでしょ?」

「……かもな」

あっさりとレオは認めた。


目立つのを嫌うレオは、普段こういったコロシアムに参加しない。

参加したのはダークポケモンを手に入れるために参加したパイラコロシアムとバトル山、それにオーレコロシアムくらいだろうか。


対してリュウトはあちこちのコロシアムで優勝を繰り返し、シャドー幹部と戦っているところをテレビで放送されたこともあり有名だ。


「何せリュウトのバトルを見るのも久しぶりだからな」

「あれ? 打ち合わせとかはしたんでしょ?」

「確認だけな。……それに、リュウトと組むのは初めてだ。たまには同じ支点から見るのも悪くないさ」

どこかレオは嬉しそうだった。
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