風吹き抜ける大地V

□コンビネーション
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「さあレッド! レオ! ポケモンバトルするわよ!」

緊急招集という名目で呼び出された2人は、そんなブルーの言葉を聞いて一気にやる気を失くした。

「……俺が、レオと戦えってのか?」

レッドも呆れた様子を見せて、溜め息をつく。

「違うわ!」

ブルーはやはり強引に連れてきたのであろうグリーンを突き出した。

「私とグリーンが、あなたたちに挑むのよ!」

「……はぁ?」

グリーンは最早色々と諦めているらしい、反論しなかった。

「え、それ見てみたい!」

だが当の本人たちを差し置いて、外野が盛り上がっていた。

「っつーか何でオレと先輩じゃないんだよ!」

「レッドさんのポケモンバトル、かぁ……」

「………」

ブルーが呼んだのはカントー、ジョウト出身の図鑑所有者たちだ。

さらにレオの付き添いでミレイまで来ている。

ちらりとレオはレッドを見下ろした。


始めは複雑そうな顔をしていたが、レオと組むと聞いた瞬間目を輝かせた。

「……そういえば、組んだことなかったな」

「うん」

レッドがニョロモをゲットしたとき、レオはまだポケモンを捕まえていなかった。

ディアとニュイに出合ったのはレッドと離れてからのこと。


だから、ダブルバトルをしたことはない。


乗せられるのは癪だが、たまにはいいかもしれない。

「……分かった」

「え、本当にいいの?」

あっさりとレオが頷いたのが意外だったのだろう、ブルーが目を丸くした。

「カントーのポケモンリーグチャンピオンと組む機会もそうそうないからな」

かすかに笑みを浮かべ、レオはニュイを出す。

「ニョロ、頼む」

レッドが出したのはニョロだった。

「……てっきり、ピカかフッシーを出すかと思ったんだけどね」

そう言いつつ、ブルーがぷりりを出す。

「……他人の思惑に乗せられるのはいい気がしないが……」

しぶしぶといった風に、だがグリーンも笑みを浮かべてリザードンを出した。


結局、グリーンはレッドと戦えればいいらしい。


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