風吹き抜ける大地V

□初めての出会い
1ページ/4ページ

第一印象というものはとても大切だと思う。



「お前がリュウトか?」

ポケモン研究所を出たところでリュウトにそう声をかけたのは、見たことのない男の人だった。


思わず怖いと思ってしまった。

目つきも鋭いし、なまじ格好いいから余計怖いと思ってしまう。


「誰……?」

「誰でもいいだろ?」


素っ気ない答え。


このポケモン研究所に何の用なのか、全然分からない。

もしかしたらシャドーの人間かもしれないと思うと、自然と手は腰のモンスターボールに伸びた。


それを見て、男の人が笑う。


「ちょっと、そんな言い方ないでしょ!?」

青年の隣に女性がいたことに、僕はまったく気付かなかった。

「ごめんね、こいつ口悪いし顔も怖いけど根はいい奴だから」

「……おい」

男の人が僕から視線を外し、少女を睨む。

「……こいつのことはいいとして、だ」

「よくない!」

話の腰を折られ、男の人は溜め息をついた。


もしかしたら大分苦労しているかもしれない。

そう思うとちょっと同情してしまう。


「お前、シャドー幹部のラブリナを倒したんだってな?」

「どうしてそれを!?」

そのことを知っているのは限られた人物だけだというのに。

「蛇の道は蛇さ」

青年の手にはいつの間にかモンスターボールが2つ握られていた。


そこから出てきたのはエーフィとブラッキー。

毛並みもいいし、相当鍛えられているのが一目で分かる。


「その実力、見せてみろ」

「……いいですよ」

僕もモンスターボールを投げた、







.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ