風吹き抜ける大地V
□とある日のポケモン研究所
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ポケモン研究所の受付嬢は、やって来た研究所のトップにスマイルを向けた。
「あ、クレイン所長……」
まだ若いながらも優秀なこの研究者は人柄も良く、皆に慕われている。
「あのさ、明日の午前中に僕の友人が来ることになったから……」
「明日の午前、ですか?」
「うん。男女2人組なんだけどね、特に男の子の方は見た目がちょっと怖いし怪しいけど、大丈夫だから」
「は、はあ……」
笑いながらそう言うクレインに、受付嬢は戸惑ってしまった。
駐車場に明らかに改造だと分かるバイクを停め、1組の男女が降り立つ。
「ここがポケモン研究所かぁ」
初めて訪れるのだろう、少女が歓声を上げた。
「クレインさん……所長だっけ?」
「あいつは優秀だ。所長になるのも当然だ」
エンジンを切り、青年がゴーグルを押し上げる。
鋭い視線を研究所に向け、さらに興味本位で見てくる研究員を睨みつけた。
「ほら、行くぞ」
「あ、うん!」
青年……レオが手荷物を持ち、臆することなく研究所内部へと足を向けた。
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