仮想と現実V

□ちぇんじ☆ぱにっく
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気がついたら目の前に自分がいた。



「……は?」






















「よう、楚良!」

珍しく1人でぶらぶら散歩をしていた楚良とクリム、そして司が鉢合わせした。

「ん〜、何だ、クリムか」

「何だとは挨拶だな」

気だるそうに楚良が挨拶をしてくる。

「珍しいな、楚良がこんなところにいるなんて」

「べっつにいいでしょ? 僕ちんがどこにいたって」

「……楚良?」

笑う楚良を見て、司は首を傾げた。

「どうかしたの、司」

そんな司を見て、ミミルが小首を傾げた。

「……上手く言えないけど……楚良、少し変わった?」

「まっさかぁ。僕ちんはいつも通りだよ。なんだったら遊んであげよっか?」

「そうだぜ司。こいつはいつも通りの悪ガキだ」

「ガキって言うな!」

言葉と同時に斬りかかる。

「うぉっ! タ、タンマだ楚良! こんな狭いグランホエールの通路でやり合う奴がいるか!」

いくらグランホエールが広いといえども、流石に戦闘をするほど広くはない。

特にクリムの武器は槍。

狭い通路では楚良の双剣を防ぐだけで精一杯だ。

「イ・ヤ! 自分の迂闊さを呪いな!」

そんな斬りあいを司は傍観に専念することにした。

「……やっぱり楚良とクリムは仲がいいな」



本人たちの耳には幸いにも届かなかった。




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