仮想と現実V

□鬱憤
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2015年。






いつの世にも不良というものはいるもので。

明らかにガラの悪そうな、最早天然記念物と言ってもいいのではないかと思うような典型的な不良が4人、帽子を目深に被った少年を囲んでいた。


たった1人の少年を脅すのに4人も必要なのか、と呆れもする。


普通なら怯えるだろう、という状況にも関わらず、少年は笑った。




「オニーサンたち、俺のストレス解消になってよ」














2015年。


『The World』が閉鎖された。


スケィスが消えた。


それもこれも、CC社のせい。


「あ〜!!!」

亮は自分のベッドにダイブして、帽子を放り投げた。

ムシャクシャする。
苛立ちが治まらない。


こういうときはPKに限るのだが、その場所はもうない。


ネットスラムくらいにはログインできるのだろうが、結局そこでもPKは禁止。

楚良だって、その程度の決まり事は守る。でないと後が面倒だ。


だから亮はストレスのはけ口を求める。


だが家の中でやると両親が……特に母の相手に疲れる。


そこで、家の外でやることにしたのだ。

両親がなかなか家に帰ってこないため、中学生である1人息子が夜中出歩いても問題ない。
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