仮想と現実
□内密の作戦
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アトリとパイ、クーンはとあるフィールドに来ていた。
目的はアトリの憑神のコントロールである。
洞窟系のダンジョンをただAIDAの反応を求めて潜っていく。
「……本当はハセヲと一緒が良かったんじゃない?」
パイの何気ないひと言でアトリは赤くなった。
「え!?そ、そんな私は……!」
「青春だね〜。アトリちゃん、ちゃんとハセヲに告らなきゃ駄目だぞ?オニーサンの勘だと、ハセヲ鈍感だから」
「だからと言ってどっかの誰かみたいに告白ばっかりするのもどうかと思うけどね」
ちらりとクーンを見るパイ。
その冷たい視線にクーンは項垂れた。
「ハセヲ、今日は用事があるって八咫様がおっしゃってけど……」
「何で八咫がハセヲの予定知ってるんだよ」
「でも、ハセヲさんいっつもログインしてるってイメージあるから珍しいですね」
「確かに……」
「そうかしら?彼もずっとログインしているわけじゃないわよ?」
今が夏休みだとはいえ、ハセヲは毎日志乃の見舞いに行っている。
それにリアルでの予定もあるのだろう、いつも病院に行く時間以外にもオフラインになっていることがあった。
「やっぱ宿題とかかなぁ?アトリちゃんは夏休みの宿題終わった?」
「いえ、あと少しなんですけれど……」
「うん、宿題は早く終わらせるに限る!んでもってパーっと遊ぶんだ!」
「女遊びはほどほどにね」
「ちょっ、パイさん今日は酷くない!? (ToT)」
「……お喋りはここまでね」
黒い斑点がグラフィックに現れる。
AIDAだ。
「アトリ、準備はいい?」
「はい!いつでも準備OKです!」
アトリの体に紋様が浮かんだ。
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