仮想と現実
□力がない?
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「この俺に力がないだと……?」
エンデュランスに言われ、ハセヲは語尾を荒げた。
「テメェ、誰に言ってるんだ?」
だがエンデュランスはハセヲを相手にしない。
腰巾着のようにくっついている朔がハセヲを睨んでいた。
「アンタがエン様に勝とうって思うんは100年早いわ」
「……後悔しても遅いぜ?」
だがハセヲは朔を無視し、エンデュランスを睨む。
「……フッ」
「あ!待ってくださいよエン様〜!」
エンデュランスと朔が立ち去って、シラバスとガスパーが恐る恐る声を掛ける。
「ど、どうするのハセヲ?あの宮皇にケンカ売っちゃって」
「でもハセヲ〜。宮皇に挑むには、まずアリーナのランキングで1位にならなきゃならないんだぞ〜」
実を言うとそこまで考えていなかったのだが、ハセヲは拳を握り締めた。
「要は勝ちゃいいんだろ?」
「でも、メンバーはどうするの?」
「そんなん、決まってるだろ。……な?」
「トーゼン!」
第三者の声にシラバスとガスパーは驚いた。
「アイツ、僕らを馬鹿にしたからね。オシオキしてやらなきゃ気がすまないみょん」
軽い口調で剣呑なことを言うのは、どこからともなく現れた楚良だった。
「ハ、ハセヲ、この人は?」
シラバスが驚いて楚良を見る。
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