仮想と現実

□幻の喪失
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Δ 隠されし 禁断の 聖域


グリーマ・レーヴ大聖堂




白い錬装士……ハセヲは何も置かれていない祭壇をただ見ているだけ。


「ハセヲさん……」


そこにやって来たのはクーンTPパイ、そしてアトリの3人。

八咫からハセヲがログインしたと教えられ、すぐさま駆けつけられたのがこの3人だった。

だが八咫も知識の蛇のモニターからここの映像を見ていることだろう。


アトリに呼ばれ、ハセヲがゆっくりと振り向く。

その動作はなぜか緩慢に見えた。

そして言葉を発する。


「ん〜、誰?」


その言葉にアトリは固まった。

「ハセヲ……冗談にしては笑えないぞ」

代わりにクーンが乾いた笑いを漏らす。

「あなたからの連絡が途絶えて数日が経つわ。メールも着信拒否するし、ようやくログインしたと思ったら……ふざけてるの?」

苛立つパイを他所にハセヲは興味深げにその面子を見る。

「ふっざけってなっいよ〜。ボクちんいつでも大マジメ」

おちゃらけた態度は普段のハセヲからはとてもかけ離れている。





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