仮想と現実
□楽しむということ
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「オフ会しない?」
そう言い出したのはカイトだった。
「それ面白そう!」
ブラックローズが手を叩く。
日本中の人がプレイしているこのゲームだが、運のいいことにこのメンバーは東京近郊に住んでいた。
ヘルバやリョースがどこに住んでいるかはさすがに知らないが。
「それはいいな」
だがヘルバも乗り気だし、ワイズマンも頷いている。
「ふむ、では場所を設定しないといけないな」
「私はパスさせてもらうぞ」
リョースがそんなことを言い出す。
「え〜?どうして?」
ミストラルが首を傾げた。
「お前らと違って私は忙しいのだ」
「ケチな大人ねぇ」
「そういうヘルバ姉さんは平気なの?」
「モチロン」
「エルクも来るよね?」
「えっ……?」
カイトに話を振られ、戸惑うエルク。
「ぼ、僕が……?」
「エルクってどこに住んでるの?」
「神奈川だけど……」
「じゃあ近いじゃん!エルクも決定ね!」
「もちろん楚良も来るよね?」
「?」
当然の如く、カイトはなぜかいる楚良に言った。
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