仮想と現実U
□とんだ災難
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「……で、お前は何がしたいんだ?」
嫌な予感がしながらも、クリムはそう尋ねずにはいられなかった。
むしろ聞かなくても勝手に喋るだろう。
「モチロン、クーンをやっつけるw」
非常にいい笑顔をしながら楚良は答えた。
「僕ちんを悪者扱いしたんだもん、相応のお仕置きをしてあげなきゃw」
「で、俺に何を求めている?」
「僕ちんのお手伝いw」
「断る」
「アンタに拒否権なーし」
「俺は関係ないだろ!」
「関係あるじゃんwクリムとクーンの声って似てるしw」
「それは偶然だろうが!第一それとこれとは別問題だろ!」
「……協力、してくれないの?」
「当たり前だ!」
クリムがそう叫ぶと、楚良は沈黙した。
「……楚良?」
「……分かった」
不気味なほど静かな声。
「クリムがそのつもりなら、俺にも考えがあるもんね」
激しく嫌な予感がする。
「待て、何をするつもりだ!?」
「クリムもクーンと同罪だ!」
そう捨て台詞を残し、楚良はログアウトをした。
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