仮想と現実V

□再誕まで……
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高校2年になり初めての中間テスト。成績は確認するまでもない、散々なものだった。


何せ亮は勉強する時間全てをネットゲームに当てているのだから。


全ては未帰還者となった志乃の為。

志乃をPKしたトライエッジを探し、KILLするためだ。

元々ゲームの類はあまり得意でない亮が高レベルプレイヤーとなるためには他人よりも時間を費やすしかない。

そのため亮の生活はネトゲ廃人の見本とも呼ぶべきものになり、学校の授業中の殆どは睡眠時間とと化していた。そんな状態で勉強など満足に出来るはずがない。



学校の教師は呆れ、聞く耳を持たない亮の対処を半ば諦めている。ほとんど顔を合わさない両親から電話越しに何を言われても心に響かない。


亮を咎める大人は、誰もいない。



「……オーヴァン」

ログインすら確認できない相手に何を求めても無駄。

そうと分かっていても、亮は求めずにはいられなかった。








――――無駄だっていうのにねぇ。







頭の奥で、誰かの声が聞こえた……気がした。
















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