【G.O.Pの短編集】

□「僕と彼女」
1ページ/9ページ

僕は影だった。

学校でも外でも僕は誰にも気にされない。
ただ在るだけ。

そんな僕にもたった一つの光があった。

図書委員会の名前も知らない女の子。

僕が調べ物をするために、偶然図書室に寄った時。


彼女は僕に
気付いてくれた。

彼女は僕に
微笑みかけてくれた。

彼女は僕に
あいさつをしてくれた。



それから毎日僕は図書室に通うようになった。

彼女は毎日僕に微笑みかけてくれる。

それだけで、僕は嬉しくなる。

彼女の微笑みだけが
僕を照らしてくれる。

僕を影から実体に戻してくれる。


気付けば、僕は四六時中
彼女の事を考えていた。

そして、同時に気付いた。

僕は彼女が好きなんだ。


それに気付くと、僕に様々な欲求が沸いてきた。


彼女をもっと知りたい。

彼女と話したい。

彼女に触れてみたい。


沸き上がりだしたら止まらなくなった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ