【G.O.Pの短編集】
□「僕と彼女」
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僕は影だった。
学校でも外でも僕は誰にも気にされない。
ただ在るだけ。
そんな僕にもたった一つの光があった。
図書委員会の名前も知らない女の子。
僕が調べ物をするために、偶然図書室に寄った時。
彼女は僕に
気付いてくれた。
彼女は僕に
微笑みかけてくれた。
彼女は僕に
あいさつをしてくれた。
それから毎日僕は図書室に通うようになった。
彼女は毎日僕に微笑みかけてくれる。
それだけで、僕は嬉しくなる。
彼女の微笑みだけが
僕を照らしてくれる。
僕を影から実体に戻してくれる。
気付けば、僕は四六時中
彼女の事を考えていた。
そして、同時に気付いた。
僕は彼女が好きなんだ。
それに気付くと、僕に様々な欲求が沸いてきた。
彼女をもっと知りたい。
彼女と話したい。
彼女に触れてみたい。
沸き上がりだしたら止まらなくなった。