アレリナnovel
□私だけの王子様・・・
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「リナリー、ちょっとおつかい行って来てくれないかな?」
大好きな兄の珍しい頼みに、リナリーは嬉しそうに頷いた
「ここどこォ・・・?」
コムイから貰ったお金を持って家を出たリナリーは、早く兄の喜ぶ顔を見たくて夢中で走った
しかしこの町に引っ越してまだ一ヶ月もたってないリナリーはスーパーまでの詳しい道なんて知るわけもなく、いつの間にかコムイに書いてもらった地図もなくしてしまい、見たこともない道をトボトボと歩いていた
「お兄ちゃん・・・・グスッ・・・」
まだ小学生のリナリーには、知らない道にあるいろんなモノがお化けみたいに見えて、ますます彼女を不安にさせる
ついにはその場に蹲り、リナリーは声を殺して泣き出してしまった
「・・・・どうしたの?」
泣いていた少女は、後ろからの声に俯いていた顔を上げ、声のする方へと振り向いた
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