拍手log

□ゴエモン
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さびれた村に明かりがどんどんついていく



小判をばらまく音がなるたんび



次々においらに感謝の言葉をあびせる村人たち



「へへっ、こんなのおいらにとっちゃあ朝飯前でい!」



みんなが幸せならそれでいい



あんな金持ち野郎ども、こんだけとっても困りゃしねえだろ



全部の小判をばらまき終えて、走り去ろうとしたとき



おいらを呼び止める声がした



「ゴエモンさん!」



「ん、?」



ふりかえったら、女の子がひとり。さっきばらまいた小判を両手でかかえていた



「こんなに受けとれないです」



「どうしてだ?」



「だって、わたしゴエモンさんになんにもしてないのに…」



「おいらが勝手にやってることなんだからさ、気にすんなって」



「でも、お礼なんてなんにもできないです…」



「いらねえって、んなもん」



おいらに小判をかえそうとするその両手を押しかえして、女の子のほっぺたをつまんだ



「おいらは、みんなが幸せで笑ってくれたらそれでいいんでい」



「いひゃいれふ」



「だからそんな申し訳なさそうな顔すんのやめい」



ぶんぶん何回も顔を上下にふって、わかったっていう顔をした



そろそろ逃げねえと役人が追ってくるころだ



「んじゃあな、」



「ゴエモンさん!」



「今度はなんでい」



がんばれ!


(おめえみてえなやつがいてくれっから、がんばれるんでい)






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