(*夢主は精霊です)
「ねー」
「…」
「カラスー」
「…」
ぐーすかぴー
カラスはとっても気持ち良さそうに寝てる
そんなカラスの寝顔をじっくり見てみたくて、ぐぐぐと至近距離まで近寄ってみる
「か、」
かわいい…
いつもはかっこよくて素敵で、なおかつかっこいいカラスだけど、寝顔は世界でいちばんかわいい気がします
ほんとに美形だなあ…
それにくらべてわたしは…ちんちくりんだし…おなかもぽんぽこりんだし…なによ、このおなか!
「カラスはいいなあ」
ちょっとだけそう呟いただけなのにカラスには聞こえてたみたいで、目をしょぼしょぼさせながら起きちゃった
「あ、起こしちゃった…ごめんね」
「ん、いや…」
ぐーっと体を伸ばして大きなあくびをしてから、一言
「俺のどこがいいって?」
き、聞こえてたんだ…
別に聞かれて困ることじゃないけど…
「カラスは美形でかっこよくて寝顔が可愛くていいなあって思っただけ」
「…ふーん」
眠いからか、ちゃんと聞いてないか、どっちかわかんないけど特に興味もなさそうにカラスは頭をわさわさかいた
それから、また目を閉じて寝転がる
「…また寝るのー?」
返事はなし。
仕方ないからまたカラスの寝顔を覗き込もうと顔に近付いたら、カラスがゆっくり目を開けてわたしに近付いてきた、
そっと、その唇がわたしの唇にくっつく
でも本当はくっつくわけなんてなくて(わたしは精霊だから)触れてはいないけど、それでもなんだか優しくって、暖かくって、目をつむった。
長い長い口付けが終わって、カラスになんでか じーーっと見つめられる
さっきのことで恥ずかしくて仕方ないわたしの顔は熱が集まってあつくてたまらない
「…可愛い」
「へ、?」
わたしのあたまをぽんぽんして、カラスはまた寝転んだ
そんなこと言われて平気でいられるわけ、ない。胸がどきどきとまらない、