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□ゴエモン
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うわわ、目撃してしまった…


可愛い女の子がゴエモンさんに、ちょこれーとを渡してるところを…!



今日は外国で有名な“ばれんたいんでえ”だからそんな場面は珍しくもないんだけれどもね、


珍しくもないんだけれどもね…


わたしもゴエモンさんにちょこれーとを渡そうとしてたんだ!!


なのに、あんな可愛い女の子にちょこれーとを貰って嬉しそうに笑ってるゴエモンさんを見たらなんだかげんなりしてきちゃった…


だってあんな可愛い女の子にわたしがかなうはずないよ…


いや、もしかしたら


いやいや、無理無理


でも、やっぱり


ううん、だめだ!



せっかく頑張ってちょこれーと作ったのになあ…


やっぱり渡そうかなあ!


でもこわいし…もう自分で食べちゃおう…悲しすぎる…






「あれ?こんなとこで何してんでい?」


「ぎゃあ!!!!」


「ぎゃあっておめえ…」


「ごご、ゴエモンさん!」



びっくりしすぎてぎゃあとか言っちゃった…!なんでこんな時にゴエモンさんが…!


ど、どうしよう…



「ん、おめえも誰かにちょこれーと渡すのか?」


「え!な、なんで?」


「だって、おめえの手に持ってんのちょこれーとだろ?」



うわあ!隠すの忘れてた!ばればれだ!どうしようどうしよう!



「えっと…その…あの…」


「うん?」


「わ、わたし…」














「自分で食べるんです!!」






涙が出そう。


わたしってなんて痛い子なんだろう…最悪だあ…



「…ぷっ、はははっ!おめえはほんっとにおもしれえ奴だな!」


「…どうも」



おもしれえ奴だななんて言われたってあんまり嬉しくないよ…ゴエモンさん…



「ま、そんなことよりおいらの話を聞いてくれ」



そんなことって言われた…


き、気にしないけど…ちょっとだけ傷ついたり…


目の前のゴエモンさんはポケットからがさごそ何かを取り出してわたしに差し出した



「受け取ってくれるかい?」


「へ、なんですか、これ」


「ちょこれーとだって」


「………………」






え!!!!!!!?



「“ぎゃくちょこ”っつーのも流行ってんだってよ」


「へ、へ、」


「おいおい、おいらの話聞いてるか?」


「ゴエモンさん…!」


「あんま見んなって、照れるじゃねーか」



涙が出そう!







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