「っわ」
いきなりリュードに後ろから抱きしめられた
めずらしいな、リュードから抱きついてくるなんて
いつもわたしから抱きついてるのに
そう考えてるうちにもわたしを抱きしめるリュードの腕の力がちょっとずつ強くなっていく
「リュードのくせに、今日は大胆だね」
「僕だってこうしたい時ぐらいありますよ、」
それだけ言ってからリュードはわたしの肩に顔をうずめて黙り込んだ
「どうしたの?」
「何もないですよ」
「ふーん」
きっと何かあったんだろうな。あえて聞かないけど。
リュードは落ち込みやすいし、悪い方にどんどん考える癖があるから。
「大丈夫、大丈夫」
なんとなく呪文みたいに言ってからわたしのおなかにまわされてるリュードの手をぽんぽん撫でてあげた
そしたらリュードはわたしの肩に顔をうずめたまま、すりすりしてくる
「くすぐったいよ」
明るくそう言ってみても返事は返ってこない
そのかわり、わたしの肩がじわり、じわり、濡れていく
「大丈夫、」
泣いてるんだね。
声を殺して泣くリュードの手をわたしの指にからませて、
大丈夫、大丈夫。
「あいしてるよ」