「セネルくん…!!」
「?」
「甘いもの好き!?」
「嫌いじゃない」
「どっち!?好き?嫌い?」
「普通」
「……そっか」
なんでそんなに曖昧な返事なの、ばか!とか言えるわけないから心の奥底深くに封印しとく
なんでそんなこと聞いたかと言うと、わたしはセネルくんのために一生懸命心をこめてチョコを作ったからなのだ
だって今日はバレンタイン!デー!
セネルくん、喜ぶかなあ…ふへへ…変な笑い声出しちゃった。まあいいや、心の中の声だし…
「変な笑い声するな」
「あ、ごめん。え?声に出てた!?は!恥ずかし!!」
うわあ、最悪だ!チョコ渡す前にものすごい失点しちゃったよ!
まあいいや…こんなことをいちいち気にするわたしじゃない。さあ意を決して渡そう!!!
その前に
「セネルくん、わたしのこと好き!?」
「嫌いじゃない」
「どっち!?」
「普通」
「じゃあシャーリーちゃんは好き!?」
「ああ」
「え!!!!」
なんでそこは!!!
「曖昧な返事じゃないの!?」
「シャーリーは大事な妹だからな」
「そうですか!!」
もう!!!
「わたしはセネルくんが大好きだ!ばかやろう!」
綺麗にラッピングしたチョコを力いっぱいセネルくんに投げつけて、わたしは、
逃走した。