パラレル文。
□手のひら
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「頭、撫でれば良いのか?」
そう聞くと、こくんっと頷くゾロ。可愛いハニーの可愛いお願いを断る訳がないおれは、見た目よりも柔らかい髪をゆっくり撫でた。しばらく大人しく頭を撫でられていたゾロは、とろん…とした眼をしながら喋る。
「コックに撫でられるの…結構好きだ………」
「そ、なのか…?」
「ん…、コックの手が好きだから…」
まさかの告白にドキリと胸が鳴る。
いつも不意打ちでおれを喜ばせて、好きになる一方じゃねぇか。
我慢出来ずにゾロを抱き締める。皆が寝ているおかげなのか、大人しく腕の中にいる。
「お、前はなぁ…っ」
照れ過ぎて言葉が出てこない。クソ…ッ
「なんだよ??別に変な事は言ってねぇだろう??」
不思議そうに見てくるゾロに目眩がする。あぁ…この天然ちゃんは、おれを虜にしている事に全く自覚がないなんて…。
「好きだよ…いや…違うな……愛してるよ、ゾロ」
抱き締めてる腕に力を入れ見つめて、そう言うと顔を真っ赤にさせる可愛いゾロ。少し俯いてから小さな声で、おれも嫌いじゃねぇ…と言ってくれた。
おかしいな…今日はゾロの誕生日のはずなのに、おれの方が幸せな気持ちになってる。
「ゾロ」
「ん??」
「誕生日おめでとう」
「…おぅ…」
fin...