壊れた預言書
□貴方の居ない世界
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貴方の居ない世界なんて想像も出来なかったのに、居なくなってしまえば何事もなかったように時は過ぎてゆく。
私だけ取り残されてしまった。
なんとなくそう感じた。
人々は何も知らずに笑って、貴方が居ない事を知っているはずの人でさえ、いつもと変わらず此処にいる。
私は笑わない。
私は貴方を忘れない。
何度も何度も誓った。
苦しくて胸が痛くて、いっそ殺してくれと願いたくなったけれど
私は死なない。
貴方を理由に死んだら貴方を汚すことになる。
痛みを抱いて生きる。
この痛みは貴方が与えた痛みだから
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