07/25の日記
17:00
ねぇ、
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あなたはいつもないていた。
少なくとも、あたしの記憶の中のあなたは、
いつも渇かぬ涙を流し続けていた。
時に声を押し殺して、
時に赤子の様に大声で、
まるで神様に祈りを捧げるように。
ある日貴方に尋ねた。
ねえ、なんで泣いてるの?
すぐに、わかりきったことを聞いたと思った。
貴方の顔はいつも、悲しみに歪んでいたから。
悲しいから泣いてるんだ。
当然の事。
だけど今思えば、悲しいからと云って泣いていた貴方は、尊敬に値する人だったのだろう。
おとなはいつもうそをつく。
かなしい時も、自分の心にすら嘘をついて、涙をがまんしてるんだ。
苦しそうな顔で。
悲しそうな顔を、もっと悲しそうにゆがめて。
心も、たくさん歪めて。
だから、我慢を知らなかったあなたは、とても綺麗な人だった。
風になびく柔らかな髪も、
陶芸の様な白い肌も、
伏せられた長いまつげも、
決してこちらを見ることの無かったその瞳も、
皆々綺麗で、全部が真っ直ぐだった。
あたしは貴方が世界で一番好きだったけど、貴方はあたしがこの世界に存在していることなど、きっと知らなかったのだと思う。
それでいい。
綺麗なあなたは、あたしなんかに汚されてはいけない。
でもね、ほんとはね、
こっち見て、って言いたかったんだよ。
ねぇ遊んで、って言いたかったんだ。
ねえねえってば、何でもいいから貴方とおなじでいたかったのに。
何を言っても、返事なんて無い。
寂しくなった。
暖かかったあなたの身体が冷えて、
止まらなかったあなたの涙が乾いて、
心地良かったあなたの心臓の音が聞こえなくなって、
そして、暖かくて止まらなくて心地良い午後三時半、
あたしは、
あたしとあなたが独りになったのを悟る。
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なんかこういう報われないタイプも書きたい…!
なんか創作意欲は微妙なのに、変なネタばっか浮かんでくるよ!
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