07/12の日記
17:52
零崎家の夏。
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暑い。
お空に向かって呪詛を唱える。これで少しは涼しくなればいい。
「雪織ー、こっち来ーい。」
軋兄に呼ばれて居間へと行くと、皆さんいつもと格好が違っていらっしゃいました。
『あれ、どうしたの?』
「うん?」
『いつもと違うかっこ。』
「だって暑いじゃないか。」
うん。暑いせいか、ちょっと会話が簡潔化してる。
『涼んでるの?』
「そうだっちゃ。
ほら雪織、こっち来い。」
「ここが一番涼しいぞ。」
曲兄が少し位置を移動して、場所を空けてくれた。
『あ、ありがと…。
んー、でも、軋兄に限ってはいつものかっこの方が涼しそうだね。』
言いながらペタリと床に座り込む。
軋兄は少し苦笑いしながら、「そこに突っ込むな」と言った。触れてはいけない点だったらしい。
しかし、私を含めて四人…。二人程足りない。
まいはにー舞織ちゃんと、まあ人識はどうでもいいけど、何処に行ってしまったのだろう。
『ねぇ、舞織ちゃんは?』
「夕食の買い物に行ったよ。今日は冷麺だって。」
『わー、ほんと?』
「で、人識君が荷物持ちとして駆り出された。」
『…よく行ったね、あのナマケモノもどきが。』
うん、まあジャンケンで決めたしね。
そう言ってひらひらと手を振ってみせる双兄。
…この人達、組んだな。
ほぼ確信。
澄ました顔してるけど、絶対この人達組んでる。
零崎三天皇に敵うはずもない、人識が行くのは必然的だったろう。
そう思えば、なんだか人識が可哀想に見えてくる。ほんの少しだけ。
「そういえば、雪織。
こんなチラシがポストに入っていた。」
『何だろ。んーと、お祭り…?』
「ああ、そろそろそんな時期だっちゃね。」
『へぇ…、いいなーお祭り。』
「ん、行きたいのかい?
じゃあ行こうか、雪織ちゃん!」
「お、いいっちゃね。」
「ふむ。家賊でお祭りも、悪くない。」
『え、いいの?』
「勿論だよ!
さあ、浴衣に着替えようか!」
初めて行くお祭り。
家賊と一緒。
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