パラレル
□本気のカラダ【未完】
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「ごめんねー、急に呼び出したりして」
「いや、別に・・・」
坂田が軽い調子で言いながら部屋に入って来ると、ソファに所在なさげに座っていた総悟が一瞬腰を浮かせる。
「あ、そのまま座ってていいよ」
「へい・・・」
言われるまま総悟はソファに座り直す。
「山崎〜、お前沖田くんにはコーヒーじゃなくてジュースのほう出せばよかったのに」
テーブルに置かれたコーヒーが手つかずなのを見て部屋の片隅でパソコンに向かっていた雑用係の山崎に声をかける。
「あ、すいません。じゃあいれ直して・・・」
「いや、俺コーヒーでいいですから!」
あわてて総悟はぬるくなったコーヒーに口をつける。
「ほんと?気ぃ使わなくていいんだぜ、あいつには。そのために給料出してんだからさ」
「ほんと、大丈夫ですから・・・」
「だってよー、山崎。でも次からはジュースな」
「はい、了解しました」
山崎が座り直すのを確認して総悟もほっと息をついた。
「で、今日来てもらったのは他でもない、仕事の話なんだけどさ」