パラレル

□夏の夜の事【未完】
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それから半時ほど経った頃、祭り会場の出店をひやかしながら道行く人々を物色してはあれこれ言い合う男2人。

「しっかしさ、祭りに来たら可愛い子いっぱいナンパできると思ってたのにいるのは家族連れとカップルばっかだな。どっかいねえのかよ、若いピチピチギャルはよ」

甚平姿の銀時が文句を垂れると、同じく甚平を着た土方が大きくため息をつく。

「ほんとだよ。お前が絶対ヤレるから行こうっていうからこのくそ暑い中来てやったっていうのに、まったく大ハズレだな。これなら家で酒飲んで寝てたほうがよかったぜ」
「そう言うけどさ、俺だってこんなに収穫がないとは思ってなかったんだよ」
「ったく、このままだとお前と2人で花火見る羽目になりそうだぜ。それだけは絶対避けねぇと…」
「俺だって土方と2人で花火なんてごめんこうむりたいね。こうなったらもう、ちょっと好みじゃなくてもいっとくかぁ?」
「それも仕方ねぇだろ」

その時、銀時の視界に仲よさげに歩く2人の少年の姿が映った。

「おい、土方…」
「ああ?」
「ちょっとアレ、アレ見て、ほら、あそこ」
「ん?」
「いるだろ、浴衣の2人組」
「ああ…?って、あれ男じゃねぇのか?」
「そうみたいだけど、なかなかよくね?」
「相変わらずだなお前は。男も女も見境なくて」
「えー。とか言いながら土方も男いけるの俺、知ってるぜ?1年の桂、食っただろ」
「なんでお前…」
「ん?俺もいただいちゃったから」
「はあ?」
「要は穴兄弟になったってこと。だから分かんの。土方ってああいう大人しそうなガキ、結構好きだろ」
「…まぁな」

声は遠くて聞こえないが、2人が楽しそうに笑いあってる姿は土方にも十分魅力的に映った。

「あの2人、バージンだと思う?」
「は?お前そんな事気にすんのか?」
「いや、気にするって訳じゃないけどどうかなと思ってさ」
「あーどうだろうな。最近はガキも結構遊んでっからな」
「バージンだといいなぁ〜。俺、初めての子が痛い、痛いって泣いてるとこヤんの、好きなんだよな〜」
「はッ、このドSめが」
「ええ?言いますけど土方くんだっておもちゃプレイとか大好きでしょーが。言ってたよ、桂が。学校でも入れられて大変だったって」
「ったく…あいつはペラペラと…」
「まあまあ、そういうの言わせて俺も楽しんだっていうのもあるけどさ。ま、どっちにしろ俺たち類友ってことで…さ、そうと決まればいきましょーかね」
「ああ、じゃあうまくいったら連絡頼むぜ」
「オッケー」

2人頷きあうと銀時は総悟と新八のほうへ、そして土方は反対方向へ歩き出した。
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