銀沖長
□君のミルクを飲ませなさい 【前編】
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って、なに沖田くん膝の上乗っちゃってんの??
それも、胸を合わせた抱っこ状態、俺の首に腕なんかまわしちゃってどんだけうれしいことしちゃってくれてんですか、コノヤロウ!
「白状したら、ご褒美くれる・・・?」
「・・・んー・・・ご褒美って・・・?」
「銀さんのお願い、聞いてくれる?」
「・・・いいでさァ、聞いてやりまさァ」
「エッチなことでも?」
「・・・エッチな、こと・・・?」
「そう、沖田くんが気持ちよくて恥ずかしーってなるようなこと」
「んー・・・」
「していい?」
耳元で囁くと沖田くんはコクリ、と小さく頷いた。
正直、これが酒のせいか、媚薬のせいか分かりゃしねえが『効いている』のは確かだ。
じゃないと、こんな沖田くん、普段なら絶対ありえない。
「じゃあ・・・まず、キスしよ?」
んっ、と口を突き出す。
ここは沖田くんからしてもらう感じで。
だっていつもは俺からだかし、たまには沖田くんからして欲しいわけよ。
なのに、いくら待っても沖田くんは俺の頬をぺちぺち叩くだけで一向にキスしてくれない。
「痛いよ〜沖田くん」
真剣な顔してぺちぺちしてる割には全く痛くない。
酒で力が入らないのか、子猫の猫ぱんち程度の威力しかない。
「旦那が間抜けな顔してるからでさァ」
言いながらもぺちぺちの手を休めない。
「そんな間抜けが好きなのはどこの誰ですか?」
こんなこと、いつもなら絶対聞けないけど。
「・・・俺でさァ」
言いながらプイっと顔をそらす。
思いがけない返事に腹の底から喜びが湧いてくる。
正直、その言葉だけでイケそうなくらい。
「じゃあ、その沖田くんの大好きな人にキスして?」
沖田君は顔をそらしたまましばらく黙ってたが、意を決したようで、ゆっくりと俺の目を見る。
「目ェ、つぶってくだせィ・・・」
言われるまま俺は目をつぶった。
軽く、触れるか触れないかほどのキス。
初めての、沖田くんからのキス。
俺は我慢できずに沖田くんを力一杯抱きしめた。