銀沖長
□君のミルクを飲ませなさい 【前編】
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さっきから沖田くんが疑ってるように、実はこのいちご牛乳には秘密がある。
といっても沖田くんの分だけ。
俺の余りある愛情たっぷりのスペシャルカクテルなのだ。
中身は96度のスピリタスをベースにマダオから仕入れた媚薬をちょろっと混入。
正直、媚薬がどれくらい効くのか仕入先がマダオだけあって半信半疑だけど、あれだけ度数が高けりゃアルコールだけでも少しは効いてくれるだろう。
沖田くんもそこまで酒が強いほうじゃない。
俺が先にグラスを空にすると、沖田くんも信用したようで同じように一気に飲み干した。
「ふぅ・・・」
空になったグラスをテーブルに置くと沖田くんは一息ついた。
「沖田くん、どう・・・?」
見た目、そんなに変化はない様子。
「何がです?」
「いや、その、なんか・・・どうかな?って」
「どうもしやせんが?」
「あー・・・そっかー・・・」
「何かしないといけやせんか?」
「いやいや、そんなことないよ!」
じっーと俺を見つめる。
なんか今、思いっきり疑われてるんですけどー・・・・
「やっぱ、なんかあるんすね・・・?」
「ないってば、沖田くん」