銀沖長

□君のミルクを飲ませなさい 【前編】 
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「沖田くん、君、冷蔵庫のいちご牛乳飲んだでしょ!」

いさかいはいつもほんの些細なきっかけで始まる。


今回の原因はコレ、『いちご牛乳』。

「ああ、のど乾いたんでもらいやしたぜ」

「もらいやしたぜ、じゃないでしょ。あれ俺の、分かってる?俺の。それを断りもなく飲んでくれちゃって、冷蔵庫開けた時の俺のショック、沖田くん分かってる??ほんとビデオにその時の様子撮っときたかったくらいだよ!」

「そんなの一切わかりやせんね。大体いちご牛乳くらいでそんなにムキになるほうが大人げないと思いまさァ。もう結構な年なんだから少しは大人になりやしょうぜ、旦那」

「大人にって・・・なんで俺、いちご牛乳飲まれたうえにダメだしされてんの??意味わかんないんですけど!
・・・ってか、俺のいちご牛乳飲んどいてその態度ってどういうことよ、ここは謝るのが筋ってもんだろ?」

俺の熱い訴えは全く無視状態。
逆に沖田くんは面倒くさそうに耳をほじりながら立ち上がる。

「そんなに大事なら懐に入れときゃいいんでさァ。それをぐだぐだぐだぐだぐだぐだぐだぐだ・・・たかがいちご牛乳飲んだくらいでそんな言うなら俺はもうもう帰りやさァ」




・・・で、マジあいつ帰りやがった!!



6日振りの逢瀬だからって内心、あんなことや、こんなこと、はたまたそんなことまでやっちゃう??
って期待してた俺が可哀そすぎる・・・


沖田くん、残念ながら君にはお仕置きが必要だ。


『食べ物の恨みは恐ろしい』


その言葉よーく身体に覚えさせてあげるから覚悟しなさい!
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