†ラビユウ†
□君と桜
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―――…
「…はぁ…、くだらねぇ」
いつの間にか部屋に舞い込んできていた紙を、神田は嫌そうに眉を寄せながらグシャグシャと丸めて握りつぶす。
コムイの突拍子もない思いつきに、そう何度も振り回されてたまるかと、放り投げた紙くずの存在を忘れることにした。
今日は特別任務も無く、でかける用事も無い。
何をしようかと考え、思いつくことといえば、マリに鍛錬に付き合ってもらうことくらいだ。
とはえい、それが順調に行くかといえば…大抵邪魔が入るのだ。
「今日はアイツも、任務なかったよな…」
そうであれば、必ず朝部屋に訪ねてくるはずだが、いくら待っても扉をノックされることはなかった。
「どうしたんだ…。今日はやけに遅いな」
ジッと暫く動きを止める…。
「…チッ」
別に、待ってるわけじゃない!と、自分の行動を否定するように頭を振る。
取り敢えず朝食を摂るべく、食堂へと歩を進めた。
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