駄文
□●戯れ
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薄暗い部屋で、ベッドの軋む音が時折響く。片隅では女の媚びたような嬌声と、安っぽい音楽を奏でる光源がぽつんと明るい。
確かオフィスものだったか。
明らかに演技とわかるのに、艶を帯びた表情と肉体が、本能を掴んで離さない。
まるでどこかの閉鎖空間みたいな、色彩のない世界。
ぱたぱたと吹き出る汗が額を伝い、顎から滴った。
脱ぎかけのシャツがまとわりついて邪魔だったが、どちらも全てを脱ごうとはしなかった。
「そ、ろそろ、いったらどうなんだ、古泉」
「あなたこそ。もう限界が近、そうですね」