† BOSS †
□涙のBroken heart
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科捜研、絵里子は依頼した鑑定の結果を受け取りに玲子の元へと来ていた。
「しかし仕事のセンスは凄くあるけど、恋愛のセンスは本当にサッパリね。」
「また言う?(笑)」
「ほら、DNA、血痕共に一致してたわ。」
「やっぱり。」
「絵里子、ちょっといい?言いたい事があるんだけど。」
「なに?」
「あなたは優しいし、鈍感だから罪作りなのよ。期待させておいてさ・・・。好きなら好きでもっとその相手に対して自己中貫けば?それが恋愛の礼儀よ。」
「突然何よ。」
「・・・木元、貴女の事好きなのよ?」
「木元が?」
「気づいてなかったの?」
「・・・いつ頃から?」
「誘拐された後すぐに、あの子此処へ来たわ。
『ぼすの事ばっか考えちゃって、なんだか集中できないんです。・・・玲子さん、これって恋なんでしょうか?
』 って。」
「・・・。」
「絵里子、どうなの?ハッキリしようよ。」
絵里子は無言で玲子の顎を指で引き寄せてキスをしようとした。
玲子はそれをさせなかった。絵里子の手首を掴んだ。
「曖昧にしないで。木元か私、どっちか。」
「・・・。」
「決めなきゃ、どっちの意味でも木元に失礼よ。」
「うん・・・。」
「もう終わりにしよう、別れよう、絵里子。」
「・・・そんなっ」
「最後にさ、一発殴らせて?」
「はぁ?!ええっ?!」
絵里子の目は大きく見開かれ、1歩後ずさりした。
玲子は絵里子のジャケットの襟を両手で掴むと、グッと引き寄せ、ストレートにキスをした。
一瞬の出来事が、スローモーションの如く。
唇が重なったとき、世界は時が凍てつき止まったかのように。
「殴られるより痛かったでしょ?」
「・・・(驚)」
「ありがとう、愛してるわ。」
玲子は後ろを向き、絵里子から見えないように、涙を流した。
「玲子、泣いてるの?」
絵里子は後ろから玲子を包もうとした。
「なんでここにいるのよ、早く木元のとこ行ってあげてよ。」
・・・許されなかった。
「ごめん。」
・・・守れなかった。
「バカ絵里子・・・。」
今日の涙は明日の為に。
明日、貴女に会ったら笑えるように。
━━━━━涙のBroken heart.
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